製品検査で使われる検査治具

検査治具と言っても普通の人は今まで全く聞いたこともないというか、どんなものか想像することも困難かもしれません。説明することもあまり容易ではないのですが、これは製造業でよく使われる器具とか装置であって、出来上がった製品が果たして本当に求められる規格どおりかどうかをチェックするためのものです。求められる規格とは様々な要素があり得ます。長さとか重さはごく一般的ですし、それ以外にも場合によっては例えば色合い・電気抵抗度・光量・粘性・引っ張り強度・弾性など、その製品の特性に応じて様々な物理量が規格で決まっており、一定の範囲内に入っていないと不良品扱いとなることがあります。

これらの用途で用いられるのが検査治具です。確認すべき要素は多岐にわたることがあるわけですから、使われる検査治具の種類も多くなり、何か一つだけ典型例を挙げるようなことは難しいですが、分かりやすいものとして長さを考えてみます。ある製品の長さ規格は例えば1メートルであったとします。この場合、大量生産の現場で素早く品質をチェックするためには、いちいちその製品に物差しを当てて1メートルかどうかをチェックするようなことは実際的ではありません。

なぜかというと、どんな製品でも許容範囲内があるので、物差しを当てることでは範囲内かどうかを一瞬で確認することは難しいからです。その代わりに、この目的ではある種の型枠のようなものが用いられることがあり、内部にちょうど収まるかどうかで瞬時に規格内かどうかを見極めることが可能になります。