非破壊検査は建物や製品を壊すことなく、劣化や瑕疵などの検査をすることができ、さらに寿命をのばせることから、環境に優しい技術でもあります。高度成長期に建てられたインフラのほとんどが建替え時期を迎えていますが、非破壊検査を定期的に行うことによって、適切なメンテナンスを実施することができるので、それらを長期有効活用することが可能になりました。長期有効活用によって、産業廃棄物などが減るので、今ある自然環境を壊すことなく、社会生活を維持することができます。環境破壊は日本の経済発展の負の遺産ともいわれていますが、非破壊検査を行うことで、公害などのような負の遺産が減りつつあります。
また近年では、空中超音波などを用いて、非破壊検査する技術も普及しているので、様々な角度から建物の劣化を調べて、作られた年代にかかわらず劣化具合だけでリスクを判定することができます。コンクリート製の建物の寿命は長くても50年とされていますが、それが建てられている場所や環境によって、その長さが変わります。年数だけを基準として、劣化を計測するのは、今や時代遅れになりつつあります。非破壊検査は例え新しい建物であっても、瑕疵があれば、正確に見つけることができます。
それによって、建物の信頼性を高めることができ、価値を創造することができます。製品や建築物の価値を付加価値を高めることは、日本の国際競争力を高め、ものづくり日本の根幹を守ることにもつながります。